デザイナー、アートディレクターの城谷(しろたに)耕生さん(長崎県雲仙市)の仕事を紹介する「城谷耕生の仕事と選んだモノ展」が、有田町のセレクトショップ「bowl」で開かれている。城谷さんが手掛けたり、選んだりした日用品を集めた展示販売会で、25日夜、機能性を兼ね備えた自身のデザインの特徴を店内で語った。
城谷さんは東京国立近代美術館などに作品が収蔵され、県内では佐賀大学や県立有田窯業大学校で講師を務めた。近年は九州の伝統工芸の職人との共同作業にも力を入れている。
トークでは、「問題を見つけて、それを解決するためにデザインがある」と、考え方を説明した。焼き物の制作段階での廃棄率を減らそうと、廃棄の原因となる鉄粉をあえて増やしてデザインと捉えた例、ストレーナー(茶こし)とふたを一体化して洗う手間を減らしたティーサーバーなどを紹介。伝統産業の生き残りや、消費者の利便性を追求した事例を挙げた。
展示販売会は6月4日まで。使い勝手のよい調理器具や器といった日用品、城谷さんが気に入った東南アジアの民芸品など68種類が並んでいる。