別府竹細工(国指定の伝統的工芸品)の魅力を国内外に発信する新商品が完成した。「ファッションとの共存」をコンセプトに据えたバンブーバッグ4種類。職人が受け継ぐ伝統的な技術を生かしつつ、現代のライフスタイルに合ったデザインに仕上げた。
商品の一つ「Collar(カラー)」は、横28センチ、縦18センチ、高さ20センチの小さめのバッグ。伝統的な技法で作る花かごをアレンジした。一般的に真円形にする花かご上部に曲線を付けて持つ人の体にフィットするよう工夫。デザインと実用性を両立させた。
商品開発は、市と別府竹製品協同組合の「ブランド化推進事業」の一環。緻密に編んだ竹ひごをアクリルの中に閉じ込めた「フラワーベース」(花器)、料理家の栗原はるみさんが監修した「編み皿」に次ぐ第3弾。大きなテーマだった「衣・食・住」が出そろった。
一連のプロジェクトにアドバイザーとして関わったデザイン・商品企画業「セスタンテ」(東京都)の中嶋吾代表取締役は「人材開発も含めた取り組み。地場産業の振興には長期的な視点が必要になる。販路開拓を本格化させたい」と話す。
新商品の製作は、組合員の中から立候補した一木律子さん(44)、網中聖二さん(49)、何松みゆきさん(40)の若手3人が担う。組合の大谷健一専務は「事業には商品開発力、セルフプロデュース力を高める狙いがある。いい流れができつつある」と期待する。
他のバンブーバッグは「Bucket(バケット)」(縦、横14センチ、高さ34センチ)」、「Mini(ミニ) Vanity(バニティ)(縦11センチ、横20センチ、高さ27センチ)」、「Vanity(バニティ)(縦12センチ、横31センチ、高さ28センチ)」。価格は4万5千~6万6千円。
18日までセスタンテが所有する東京都六本木のライフスタイルショップ「リビング・モティーフ」に展示する。