京都府福知山市夜久野町ゆかりの漫画家、松本零士さんの作品を伝統工芸で表現した作品展が26日、福知山市駅前町の市民交流プラザ3階ギャラリーで始まった。多くの人が訪れ、西陣織など京の匠の技術を通して松本さんの世界を楽しんでいる。30日までで、午前10時から午後5時まで(最終日は午後4時まで)。入場無料。
実行委員会主催。「松本零士の世界・全国巡回展」と題して、松本さんが傘寿(80歳)を迎えた昨年から関西を中心に各地で開いている。今回は、松本さんが3月に府文化観光大使に就任したのを記念して、ゆかりの福知山で催すことにした。
会場には、織師、摺師、木版画師の匠3人が力を込めて手掛けた作品など40点が並べられている。制作に半年かかった縦3・5メートル、横1・6メートルの巨大西陣織掛け軸は、15色の縦糸1万800本、横糸11万本を使う。
掛け軸はアニメ銀河鉄道999に登場するメーテルが、京都市内を散策する様子を描いた「メーテル古都の休日」。蛇の目傘を手にするメーテルと京都の風景が描かれている。
織りの細部をルーペで見ることもでき、来場者たちはじっくりと見入っていた。
中学生の時から松本さんのファンだという植村真弓さん(52)=長田段=は夫の誠さん(54)と訪れ、「メーテルが好きで来ました。作品はきれいで、すごい技術だと思いました」と感心していた。