伝統工芸展が開幕 県立美術館

会場に並んだ伝統工芸の力作の数々=松江市袖師町の島根県立美術館

山陰の作家の9点も

伝統工芸の優れた技や美を紹介する「第66回日本伝統工芸展」の松江展(島根県、日本工芸会、島根県立美術館、朝日新聞社など主催)が4日、松江市袖師町の県立美術館で開幕した。陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工・人形・諸工芸の7部門で、人間国宝の作品46点、受賞作16点、山陰在住作家の9点を含む計280点を展示している。25日までで会期中無休。

開会式には、「白磁」で知られる鳥取市の人間国宝、前田昭博さんを始め、山陰在住の入選作家9人も出席した。県立美術館の長谷川三郎館長は「この展示は、こういう仕事をやりたいという人が出現してほしいという願いを込めて開催されている。特に若い人たちに足を運んで見ていただきたい」とあいさつした。

会場の展示構成は今年模様替えされ、入り口付近に鳥取・島根両県の作家の入選作が並べられた。文化団体の仲間ら二十数人と訪れた鳥取県北栄町の道祖尾(さいのお)良子さん(83)は「素晴らしすぎる作品ばかり。鳥取の方の作品も展示され、誇りに思います」と話した。

会期中、作家のギャラリートークが5回ある。7日=渡辺晃男さん(木竹工)▽8日=人間国宝の北村武資さん(染織)▽15日=粟根仁志さん(諸工芸)▽21日=岡弘美さん(人形)▽22日=坂本章さん(陶芸)。

また8日午後1時半から、北村さんが「織の美―極める技による新たな展開―」と題して記念講演。14日午後2時から、松江市在住の漆芸作家、高橋香葉さんの「地元作家トーク」がある。今年初めての取り組みとして、高校生対象の講座も開催される。

料金は一般600円、大学生400円、高校生以下無料。問い合わせは同美術館(0852・55・4700)へ。

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