「佐用町には100人の“達人”がいます」-。大阪府立大3年の平井宏明さん(24)が、兵庫県佐用町を拠点に、さまざまな分野で活動する“達人”を訪ねて巡るツアーを企画している。達人たちの仕事の内容や生き方を紹介する動画も制作し、動画投稿サイトのユーチューブで発信。観光や、学びの場としての佐用町をPRしようとしている。
平井さんは、大学に通いながら、インターネットを使ったオンライン塾などを経営するベンチャー起業家。大学の先輩で、現在地域おこし協力隊として活動する中村拓也さんから佐用町の話を聞き、「高齢化の進む小さな町とは思えないほど、豊富な人材がいる」と感じたという。若い世代の学びの場所になると考え、達人ツアーを思いついた。
地域の人から情報を集め、高級椅子や革細工の職人、刀工、猟師などさまざまな分野から100人をリストアップ。今年7月から毎月1~2日佐用へ通い始め、1人ずつ会って取材、動画の撮影を続ける。「僕自身が達人の皆さんに魅了された。こんなに面白い人たちのことをもっと世に広めたいし、実際に会って話してほしい」と話す。
既に40人ほどの取材を終え、ユーチューブにも編集した動画を投稿し始めた。今後は、残り60人の取材を続けながら、動画制作やツアーの開催に取り組む。
第1弾となる達人ツアーは、来年1月25、26日。ものづくりに取り組む3人を1泊2日で巡り、ワークショップやバーベキューなども予定する。平井さんは「佐用の面白い人たちに会って、100通りの生き方を知ってほしい」と呼び掛ける。
定員15人。宿泊、飲食費含め1人2万3千円(学生は1万8千円)。