大阪府立中央図書館で「ミニ伝統工芸品展」 大阪の伝統技術を間近で実感

会場の様子

大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)1階展示コーナーで2月4日、大阪の伝統工芸品を展示する「ミニ伝統工芸品展」が始まった。

 大阪府や市、大阪伝統工芸品産業振興協議会などで構成する大阪伝統工芸品展推進委員会と同館の共催で、2016(平成28)年から1年に1回開いている同展。伝統工芸品の実物を間近で見て伝統的な技を実感してもらおうと、毎年展示内容を変え開催している。

経済産業大臣指定伝統的工芸品は、主として日常生活に使われるもの、主要工程が手作業であること、100年以上の歴史を有する伝統的技術・技法により製造されていること、100年以上継続的に使われているものと同一の原材料を使っていること、10社以上または従業員30人以上の産地を形成していることの5つの要件に該当するものを指定する。同展では、国指定の6つの伝統的工芸品を紹介する。

「大阪欄間(らんま)」は、17世紀初期に建立した聖神社(和泉市)や四天王寺(大阪市)などに伝統技法の発祥が見られ、江戸期以降、一般にも広まった。彫刻欄間や透かし彫り欄間、筬(おさ)欄間など種類が豊富で、会場では欄間のほか、大阪欄間彫刻の技術を使った作品も展示する。紫檀や黒檀などの唐木(からき)を素材とする「大阪唐木指物」は、棚や机、花台などが作られており、くぎを使わず組手で接合する。

「大阪浪華錫器(なにわすずき)」は、伝統工芸品の錫器と漆塗りを合わせた錫漆(すずうるし)の新製品「タンブラー 群星」を展示。たんす発祥の地といわれる大阪で広まった桐たんすの中で最高峰と称される「大阪泉州桐箪笥(たんす)」は、たんす作りの技術を使った小物入れなどを展示する。金剛山麓の良質の竹を使う「大阪金剛簾(すだれ)」は、歴史ドラマの撮影でも使われており、すだれ作りの技術を生かしたブックカバーやランチョンマットなどの商品も展開している。

昨年11月に国の伝統的工芸品に指定された「浪華本染め」は、江戸時代に木綿の産地だった大阪で生まれたもので、型紙に木綿を重ね、模様に合わせて防染糊(のり)を施し、染料を注いで染める「注染」の技法が使われている。会場には新作の反物や手ぬぐいなどを展示する。

大阪府商工労働部ものづくり支援課の大坂英雄さんは「前回と違う新しい作品を展示している。現物を見てもらうと身近に感じてもらえると思うので、気に入ったものがあれば生活に取り入れてほしい」と話す。

開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。2月16日まで。

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